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気がつかないうちに忍び寄る殺し屋「高血圧症」
健康診断で高血圧を放置する人続出
“血圧”とは、心臓から送り出される血液が血管内壁を押す力のことです。「高血圧」とは、この血圧が高すぎる状態が続くことです。
高血圧症の自覚症状としましては、頭痛・めまい・むくみ・動悸・肩こりなどですが、いずれもこれらが高血圧症の症状と考える人は少ないかと思います。このため高血圧という状態であることだけでは自覚症状はほとんどなく、一般的には病気であると認識することはありません。
このため、健康診断等で高血圧を指摘されたとしましても、自覚症状が無いからと放置する人も少なくありません。そのまま放置しますと、様々な合併症(慢性腎臓病、糖尿病、不整脈等)を引き起こすことになります。
高血圧の状態が長く続きますと、ほとんどの人では自覚症状が無いままあるいは気づかないままに合併症を併発し、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの病気が裏で進行します。また、心臓が高い血圧に対抗するために無理をして働き心肥大が起こり、心不全となります。これらが複合して進行し、ある日いきなり命を落とすということもあることから、高血圧症は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも言われています。
高血圧症は加齢と生活習慣が要因
健康診断や医療機関を受診した際などには、必ず血圧を計るかと思います。
これは、血液を送り出すポンプの心臓の力が落ちれば血圧が下がりますし、血管が部分的に細くなったり弾力性がなくなれば血圧は上がります。つまりは、血圧を見れば身体の中の見えない臓器で何が起きているのかを予測することが可能で、健康を測る重要な指標でもあるのです。
そんな高血圧症は「加齢」が最も大きな要因ですが、加齢現象は止めることができませんのでもう一つの要因である生活習慣を改善していきます。
生活習慣病でもある高血圧症の原因としては、「肥満」「過剰飲酒」「精神的ストレス」「自律神経の調節異常」「運動不足」「野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足」「喫煙」などがありますが、その多くの場合で血圧を上げる原因を特定できない「本態性高血圧」というタイプです。塩分の摂り過ぎや過食などの生活習慣・環境の要因が複合して高血圧は起こります。
その他は、10%程度の人が原因を特定できる「二次性高血圧」というタイプがあります。こちらは、原因となっている疾患を治療しますと、血圧は下がります。
高血圧症は典型的な生活習慣病ですので、まずは生活習慣を見直すことで血圧を下げることが可能です。
高血圧症の治療は生活習慣の改善から
高血圧と減塩
高血圧の要因として一番有名なのが「塩分」になります。塩分の取り過ぎは血液中にナトリウムが多くなり、血液の浸透圧を保つために水分が溜め込まれます。結果、血液量が多くなり血圧が高くなります。
塩分摂取量は1日6g以下に抑えましょう。日本人の1日の平均摂取量は10gを超えています。
肥満の人は2~3倍高血圧になりやすい
肥満になりますとインスリンが過剰に分泌され、血液中のナトリウムが増えます。また、肥満の方は過食傾向にあり塩分も取り過ぎてしまうことから、高血圧にはなりやすいのです。
高血圧の改善には、減量は欠かせません。
運動不足
運動は余分な塩分を排泄する働きがあります。ところが、運動不足になりますとこの機能が不十分となり塩分が排出できず血圧が上がります。また、運動不足は肥満にもなりやすくなります。
ウォーキングやジョギングなど、軽い有酸素運動を1日30分程度を目安に行うとよいでしょう。
飲酒と喫煙
飲酒後は血管が広がることから血圧は下がりますが、翌朝の起床時の血圧が上がります。過度な飲酒は血圧を上げるとともに、血圧降下薬が効きにくくなることがわかっています。少量の飲酒は問題ありませんので、適度な飲酒を心がけましょう。
喫煙は、タバコに含まれる化学物質が血管を収縮し血圧が上がります。さらに動脈硬化や狭心症、心筋梗塞のリスクも高まります。高血圧の方が喫煙することは非常に危険です。
また、タバコを吸わない方が影響を受ける副流煙の問題もあります。
ストレス
ストレスを受けると交感神経が働き、血圧が上がります。ストレスが頻繁に長期的に続きますと、血圧が高い状態が継続してしまいます。
急激な温度差による血圧の変動
気温が低いと血管が収縮し血圧は高くなります。暖房の効いた部屋から気温の低いトイレやお風呂場へ薄着で移動する場合には注意が必要です。トイレや脱衣所に暖房を入れる、お風呂場を温めてから入るなどの対応が必要です。
高血圧の治療
血圧を診察室で何度か測定して最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、あるいは最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上であれば高血圧と診断されます。
ところが、医療機関で血圧を測ると緊張して高めに出る「白衣性高血圧」や、正常値を示してしまう「仮面高血圧」というのがあります。このため、リラックスして本来の血圧が計測できるように、自宅で計る習慣が大切です。自宅では何日間か測定した平均値で、最高血圧が135mmHg以上、または最低血圧が85mmHg以上の場合に高血圧症の診断になります。家庭での血圧測定では、診察室の血圧よりも5mmHg低い基準を用います。
高血圧症と診断されても、いきなり薬を処方されるのではなく、まずは生活習慣の改善指導からとなります。基本的には食事と運動と睡眠を正しく改善するよう指導を行います。運動療法や食事療法を行ってみて、それでも改善が見られない場合には並行して薬物治療へと進みます。
降圧薬を飲んでいても血圧が下がらない場合には、治療抵抗性の高血圧が考えられます。一番頻度が多く可能性として考えられるのが「睡眠時無呼吸症」です。他には、血圧を上げるようなホルモンが出ていたり、ナトリウムの排泄を妨げるようなホルモンが出ているような場合もあり、精査をしていくこととなります。
アクセス
ふじみ野中央クリニック 概要
- 院長
- 佐藤勝輝 京都大学 博士(医学)
- 非常勤医
- 6名
- 看護師
- 7名
- 標榜科
- 内科(総合、糖尿病、循環器、呼吸器)
アレルギー科、訪問診療 - 資格
- 総合内科専門医・アレルギー専門医
身体障害者指定医(肢体不自由) - 住所
- 〒354-0035 埼玉県富士見市ふじみ野西1-18-1
- 電話
- 049-256-5500
診療時間
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